ベトナム視察日記

ヒロセ通商の理念となっております「人と世界をつなぐ」ということから行っております、 学校建設プロジェクトも4カ国目となりました。今回はベトナムのソンドン県ドゥオン・フーコミューンドン・リエウ村に学校を建設させて頂きました。
今回ベトナムを選んだ理由は、約20年前からベトナムと日本は交流があり、現在では日系企業の数も1,000社を超える等、良好な関係にあるということで、当社も何かできることは無いかと検討した結果、学校を建設させていただくことになりました。

前回のエクアドルと同様、言葉が通じないという大きな不安要素がありました。 エクアドルへの視察時には、出発当日に成田空港でスペイン語の本を購入するという危機管理の無さを情けないと反省したにもかかわらず、今回のベトナムでの学校建設が決まった時点から当日までベトナム語の勉強をするわけでもなく、毎日のほほんと過ごしてしまいました。さすがに視察に行って全くコミュニケーションが取れないとなると行く意味が無くなってしまうため、今回は通訳を付けていただくことになりました。
ベトナムは社会主義国家で、通貨単位はドン(VND)といい、1ドン=0.0038円ぐらいです。

大阪からハノイまでは直行便が出ており約4時間の空の旅で、乗客の大半は日本人でしたので今回はあまりテンションが上がりませんでした。
あっという間にハノイ国際空港に到着しました。
ハノイ国際空港の運営はベトナム軍が行っており、軍兵さんたちは非常に険しい顔で入国審査や観光客の誘導などを行っており、私は訳も無く挙動不審になってしまい、どこかに連行されるのではないかと少し不安になりましたが、何も起こらず到着ゲートを出ました。
ゲートを出ると、お客様の名前の書いたボードを持ったツアーコンダクターやホテルからの出迎えのスタッフの方が沢山おりました。私は到着ゲートで通訳のマイハンさんと待ち合わせをすることになっており、運転手さんが私の名前とマイハンさんの名前のボードを持って待っていると聞いていたため、自分の名前のボードを探しましたが見つけることができません。もう一度順番に確認しましたがやっぱり見つけることができませんでした。
とても不安で泣きそうになっているところへ、カタコトの英語を話す人が近づいてきて、私の名前を呼びました。そして、両替所へ案内してくれて、私の所持金の全てをベトナムドンに両替するよう指示されました。両替が済むと私の荷物を持ってくれ、手を引き、タクシーに乗せてくれました。とても親切だなあと安心していたところ、今回お世話になるプランのバクザン事務所の方から電話があり、運転手と通訳のマイハンさんが私を探しているが、どこにいるのかと尋ねられ、ようやく客引きにカモにされたことに気づきました。
所持金は全て取られてしまったため、プランのスタッフの方からタクシー運転手に宿泊予定のバクザンホテルに送り届けるよう伝えてもらいましたが、不安過ぎてその後のホテルまでの道のりはあまり記憶に残っていません。

ようやくホテルに着き、プランスタッフのキムハンさんとお会いすることができました。まず、ご心配をおかけしたことを謝りましたが、言葉が通じないため通訳のマイハンさんの到着を待ちました。 マイハンさんが到着したところで、まずマイハンさんにご迷惑をおかけしてしまったことを謝り、スタッフのキムハンさんにもベトナム語で謝罪の言葉を伝えていただきました。 お二人は少し笑っていたので、許してもらったように思いますが、馬鹿だと思われていたのかもしれません。 改めて3人で翌日の学校訪問の打ち合わせを行いました。その後、通訳のマイハンさんとホテルの界隈を観光致し、露店で豚まんと、ゼリー質で中に豚ミンチとマッシュルームの炒めた物が入っていたものを食べました。どちらもあっさりした味で、美味しかったです。 砂糖キビジュースも飲みましたが、甘みが無く薄い砂糖水のような感じでした。

翌日、ホテルから小学校のある村まで車で約3時間の移動でしたが、路面は舗装されておらず、常に体が上下左右に揺れている状態が続きました。学校に向かう途中で朝食のため一度休憩をし、ライスヌードルを食べました。ベトナム行きが決まったときから楽しみにしていたライスヌードルだったのでベトナム到着後初めてテンションが上がりました。 しかし、食後にはまた長い長いでこぼこ道の連続に、またもや会話の弾まない車内の空気に私のテンションは保たれず、居心地の悪い空間でした。私は日本にいる時も会話がかみ合わず空気を凍らせてしまうことがたびたびあるので、次回の視察時には、移動の車中を楽しい時間にできるよう、会話の勉強もしなければと痛感しました。

学校に到着すると生徒45名、村の役員、校長先生と生徒達の保護者らがウェルカムパーティーを準備してくれていました。
自己紹介を済ませ、生徒達の歓迎パフォーマンスや保護者や村の役員からの感謝の言葉を頂きました。
パーティーの最後に生徒達へのプレゼントの贈呈があったのですが、生徒ではなく、校長先生が受け取られました。
出来たばかりの校舎を見せていただきましたが、とても立派な作りで大変うれしく思いました。
黒板、机、椅子等は揃っていましたが、教材や文具などがとても少なく、生徒全員にはいき届いていないとのことでした。
事前に確認しておれば文具なども準備することができたのではないかと準備不足を反省しました。
日本から来た言葉の通じない私に生徒たちはあまり近寄ってくれず、カメラを向けても緊張気味でしたが、通訳のマイハンさんは生徒たちに囲まれ大人気でした。

少しさみしい思いをしながら、皆さんにお別れを告げハノイに向けて出発しました、 今回の視察では、子供達だけでなく、村全体でより良い学習環境を作っていこうとする意欲にあふれる人々に出会い、とても勉強になりました。
視察前に現地の食事ばかりを楽しみにするのではなく、現地でお役にたてるようなことは無いか意欲的に取り組まなければと思いました。

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